第6章 青春のシトリン【N×S】
【ニノ】
翔ちゃんが聞いて来た。
『女より男がいいのか?』と…
答えは……
YesでもNoでもない。
俺は翔ちゃんがいいんだ。
若いぴっちぴちの高校生たちに囲まれても、
正直何とも思わない。
女子の生脚が美味しそうとも、
男子の汗が堪らないとも、
興味がない…まで言ってしまうと極端だけど、
男がいいんじゃなくて、
櫻井翔が好きで、
櫻井翔だけ、欲しいんだ…
翔ちゃんも同じだって言った。
男だからじゃなくて、
大野智だったから付き合ったんだって…
………俺と同じ…
なら逆に手ごわいよな~
男が好きなら、簡単だったのかもしれない。
だけどさ。
俺、少し手ごたえ感じてるんだよね~♪
俺が放つ、際っ際のキラーパスに、
いちいちドギマギしてるよね?
動揺を隠せてないよね?
ってことは、
俺のこと少しは意識してくれてるって、
そういう事じゃない?
だって俺のこと、ただの後輩としか思ってないなら、泊まってけなんて言われても、さらりと受け止めるよね?
それが、赤くなったり青くなったり、
嬉しそうかと思うと、急に困った顔したり…
「…まあ、あれかっ?ここの方が近いしな~
面倒だから泊まっちゃおうかな~?
…でも、そうすると、朝起きて着替えに帰るの、
嫌になっちゃう可能性、大だよな~…」
ふふふ…
悩んでる悩んでる…(*^^*)
ああいうところが可愛いんだよな~
あの人。
完璧男に見えて、実は少し…
いや、けっこうヌケてて、
突っ込みどころ満載だし…
可愛くって可愛くって、
捕って食べたくなっ…
「じゃ、折角だし…泊めて貰おうかな~」
洗い物が終わった俺はエプロンで手を拭きながら翔ちゃんの前に立ってにっこりした。
「下着だけじゃなくて、なんならジャージも貸すよ?
そしたら、朝忙しく帰らなくてもいいじゃん!
まあ、そっちは新品じゃないけどね~」