第6章 青春のシトリン【N×S】
「よし!!そうと決まれば、早速明日の練習で、子どもたちに紹介するよ!」
俺を抱き締めていた腕を、あっさりと解いて、
翔ちゃんは嬉しそうにそう言った。
キラキラした、ワクワクを隠せない、
少年みたいな大きな目…
昔から全然変わらない…
俺は、この目が大好きで…
「……って、聞いてる?ニノ」
「えっ??ああ、聞いてるよもちろん!」
「朝連じゃ、いきなりすぎるから~、
放課後がいいかな~?一応ジャージに着替えて来いよ!外部コーチも来るから、挨拶した方がイイしね~
岡田さんっていうんだ!
彼、すげ~、イケメンだよ(^^)」
「岡田さん……」
まあイケメンでも何でも、俺には関係ないけどね…
「あ~///なんか楽しみになってきたな~♪
ニノとまた一緒にコートに立てるなんて、
思ってなかったたらさ~!」
「俺も…」
「ありがとうな~!引き受けてくれて」
「…うん…」
ストレートに……
嬉しい気持ちや、感謝の言葉を、
嫌味なく、さらっと言えてしまうんだ、この人。
昔から変わらない…
自分が、少し捻くれたところがあるから、
翔ちゃんのこういうところが眩しくて、
そんで、大好きだった……
その気持ちは今でも変わらなくて…
ずっと…
あの頃のまま、大大、大好きで……
…………(´・ω・`)
俺、ここまで翔ちゃんを追いかけてきて、
それで、いったいどうしたかったのかな?
忘れようとしても忘れられなくて、
全然顔も見ないから、一日の中で、
少しは思い出さない時間もあったのに…
またこんなに近くに来ちゃって、
毎日顔を合わせて、
こんなキラキラの笑顔を魅せつけられたら、
俺………
俺…
この人のことが、欲しくなっちゃうじゃん///
押し込めていた気持ちが、
胸の中でまたムクムクと大きくなってく…
俺は、翔ちゃんの横顔を見つめながら、
ぎゅっと唇を噛みしめた。