第6章 青春のシトリン【N×S】
「じゃ、ニノの引っ越し祝いってことで…」
「いろいろありがとね」
「まあ大したことしてないけどな~」
「じゃあ、食べよう!」
「「いただきま~す!!」」
テーブルには、ささやかながらも、
心を込めて作った、俺特製のハンバーグやサラダが並んだ。
「あ、これ、うまっ///」
「ホントに~?良かった~」
「店で食うやつみたいだよ!マジで!
いや、それ以上だな!このハンバーグ、最高にうまいよ!」
翔ちゃんはそう言いながら口いっぱいに頬張って、本当に美味しそうにもぐもぐ食べた。
自分で言うのも何だけど、
我ながら、上手くできた。
柔らかさも、味も、焼もバッチリ!
箸で割った時に溢れ出る肉汁も、完璧に近い。
「このスープも、すげー美味いんですけどぉ~」
「ふふふ…良かった♪」
幸せそうに食べる翔ちゃんが、
もう何ていうか…可愛すぎる(≧▽≦)
年上だけど、俺の母性、なのかな~?
ちょっとキュンキュンする…
「ニノみたいな奥さんいたら、俺も幸せなのにな~」
「え……?お、奥さんって…」
「だってさ~、俺が男だから、奥さんじゃん!
まあ、ニノも男だけどな~
でもさ~、女の子ってちょっと分かんないとこあるじゃん?急に怒りだしたり、そうかと思うと辺に甘えて来たり…」
翔ちゃんの口から初めて聞く、女の子の話……
俺の知らない櫻井翔がそこに居た。
……そうだよな…たまたま大野さんと付き合ってたけど、翔ちゃんは元々こっちの人じゃないし…
さっきまで上がっていた気持ちが、
一気に急降下で沈んで行くのが分かった。
「だからさ~、理解しにくい女の子より、
ニノみたいな、気心の知れたやつが、やっぱいいんだよな~…俺としては~?」
………急降下した気持ちが……
再浮上を開始した…
俺って、こんなに単純だったのか…(-_-;)