第6章 青春のシトリン【N×S】
「凄いなぁ〜…ニノ、プロみて〜」
「それは言い過ぎだよ〜。あんまり見てられると、やりにくいんですけどぉ~…(^^)」
褒められて、満更でもない俺は、
にやける口元を押さえられない。
「いや、ホントに!マジで尊敬するよ~。
俺、何にもできないんだよ、こう見えて」
「…こう見えてって…作れそうもないけど…」
「んっ??なんか言った?」
「いや…別に…」
話ながら…手は止めずに、せっせと翔ちゃんのための夕飯づくりに余念がない俺…
気持ちも…もちろん愛情もたっぷり入れて、
心を込めて作った。
心の中で、
『美味しく、美味しく、おいしくな~れ♡』
と、おまじないしながらね(*^-^*)
「もう直ぐ出来るよ~
翔ちゃんコップと箸並べて♪」
「は~い!」
俺に言われて、テーブルに箸を並べる彼の姿をこっそり見ながら、俺の顔は自然と緩む。
ご機嫌に鼻歌を歌いながら、
「ニノ~、俺時々、ここに飯食いに来てもいいかな~?あ、いや、ちゃんと金は払うし!」
「翔ちゃん…」
「あ、ダメならいいんだ…いろいろ忙しいだろうし…か、彼女も来るだろうし」
「翔ちゃん!!」
「んっ??」
落ち着け!!俺!!
変に思われないように、自然に言わなきゃ…
「いいよ~、来ても!彼女なんかいないしさ!それに俺、実はいつも作り過ぎちゃって捨ててるし~、誰か食べてくれれば捨てなくていいし、ゴミも減るし」
「ふふふ…俺、残飯処理みたいだな~」
「あ…いや、そうじゃなくて///そういう意味で言ったんじゃなくって!その…だから」
「じゃ、遠慮なく来させてもらうよ(^^)」
「うん!いつでもいいし!何なら、もう、毎日でも!」
「ありがとな~♪」
あ~///(>_<)
俺ってば、もう、焦って変なことばっかり…
でも……
翔ちゃんが来てくれるって…ここに…
ご飯食べに…
これで、しょっちゅう誘っても変じゃないよな~