第6章 青春のシトリン【N×S】
「そーかぁ…?」
相変わらず呑気なんだから。
「俺の可愛い後輩をビビらすようなこと
なんか言っちゃったんじゃないの~?」
「ビビらせてなんかないし!
お前らにとってマイナスになるような事は
なーんも言ってないからな~( ̄∇ ̄*)」
ふーん…どうだかね(;一_一)
今日は不穏な動きばかりをしている
アヤシイ笑顔の智くんはほっといて
俺はニノの様子を見に行こうと
リビングを出た。
1LDKの新居には
もうあと一つしか部屋は残ってなくて。
俺は迷わず
さっき自分が片付けをしていた寝室に入った。
「…ニノ~?」
入口でさりげなく声をかけると
奥にある小さなウォークインクローゼットから
ドタンバタンと変な音が聞こえたあと
慌てたようにニノが現れた。
「…な、なにっ?…あぁ、ここの続き?」
「お、ん…それもあるけど……おま……」
「あ、俺のパート…ほぼ終わったから帰るね~?」
唐突に後ろから智くんが叫ぶから
「「えぇっΣ(⊙ω⊙)?」」
ニノと俺で綺麗にハモってしまった。
「ちょっ、なに帰るのっ?…いきなりっ?」
「うん、あとは翔に任せた~(*^^*)♪」
「いやいやいや!唐突すぎるでしょ~マジで!」
俺がガンガンに抗議の声をあげても
智くんはスルリとかわす感じで
中にいるニノに
俺越しに手を振った。
「ニノ~また学校でな(*^^)/
翔にお疲れさまの夕飯でも奢ってやって~♪」
「ちょっと智くん…っ…」
「ごめん、俺…彼氏と約束あっから(*^^)v」
そう言いながら
もうすぐそこの玄関で靴を履いていて。
ほんじゃお疲れ~と軽く手を上げて
そのまま出ていってしまった。
シン…とする……この空気……
ホントに…
自由すぎるだろ(。ー`ωー)…智くん…
俺は恐る恐る
部屋で聞き耳を立てていたニノを振り返って
「か、確認だけどさ…?」
息を詰めながら
聞いてみることにした。
「智くん、と…喧嘩でも…した?」