第6章 青春のシトリン【N×S】
【翔】
ニノが智くんに呼ばれて出ていったあと
改めてさっきの大物トップスを
クリアボックスに入れ始めたんだけど
そのセーターやトレーナーの他にも
ニノがよく着ていた服がいくつかあって
あ~大学時代を一緒に過ごしてきたんだなぁ…
っていう……なんていうか…
ダブルスを組んでいただけじゃない
もっと強くて…近い…?…何か…を感じるんだよね。
思い返してみると
智くん優先だったとはいえ
けっこうな時間を
一緒に過ごしたんだよなぁ…って。
ニノはどの先輩にも懐くような
器用な付き合い方ができるヤツじゃなくて
いま思えば
わりと人見知りだったような…?
そんなアイツが「翔ちゃん翔ちゃん」って
よーく懐いてくれて(≧∇≦*)。
それがなんか…
嬉しかったのを思い出した(〃▽〃)。
いろんなとこに
一緒に出かけたっけなぁ…
だから
知ってる馴染みの洋服が
こんなにあるんだなぁ…なんて。
2年前までのことを
やんわりと思い出していたら。
リビングで大きめの声がした。
…はっ(◎-◎;)!!
やっぱ、あの二人っ…
何かあったのかっ?…と思って
急いで駆けつけると
そこには
相変わらずニヤニヤしてる
アヤシイ笑顔の智くんと
その智くんから取り上げたと思オボしき
何かを高々と振り上げたまま
固まってこちらを見ているニノ…
「…ど、どした…っ?」
俺がさらに近づいていくと
ニノは慌てて持ってるものを後ろに隠した。
「べっ、別にっ?…何もないけどっ?」
持っていたものを
なぜかダンボールに逆戻りさせ
そそくさと抱えて
リビングを出ていこうとする…
たまりかねた俺は
思わずズバリと聞いてやった。
「お前らさぁ…何かあったの?
俺が弁当を買いに行ってる間に…」
距離的にも
たぶん聞こえたであろうニノだけど…
あらら…(◎-◎;)
振り向きもしないで
リビングを出ていってしまった。
「智くん…(。ー`ωー)」
「なんだよ…?」
「なんだよじゃないでしょーよ!
明らかにおかしいでしょっ?ニノの態度が…」