第6章 青春のシトリン【N×S】
そんなことを思いながら
さっき美術準備室でニノに聞いた
茶色いマンションを探しながら歩いた。
あ、あれだな…
あのクリーニング屋を曲がると…
…お?……あれか?
角を曲がるとオシャレな外壁の
5階建てのマンションが見えてきた。
あ、しまった…
部屋番号を聞くの、忘れたじゃん(´・・`)
マンションに近づきながら
スマホを引っ張り出すと
…あれ?
エントランスのところに
二人が所在無げに立っているのが見える。
俺は急いで駆け寄った。
「どした?…まさか…鍵、なくしちゃったとか?」
俺の質問に静かに首を振るニノ…
「ううん…翔ちゃんを待ってた」
「…へ?」
なんでここで…?
「入っててくれてよかったのに!」
そんでお湯でも沸かしといて欲しかったよ!
…っていう言葉は
笑いながらグッと飲み込んでおいた。
「ごめんな…行こ行こ!」
二人の背中を押しつつ
なんで入ってなかったんだろ~?
っていう疑問が消えなくて。
もしかしてこの二人…
合わないのかな(◎-◎;)!?
あまり深く考えずに
先に行かせちゃったけども…
ニノ…
美術準備室でもカクカクしてたしなぁ…
ちょっと考えナシすぎたかも(´・ω・)。
2階だと言うので外階段を上がって
一番端っこまで歩いてきて。
「…どうぞ」
ニノが開けてくれたドアの中へ
恐る恐る足を踏み入れた。
…ん?……あれ?
想像してた風景と違う…( ´・・)
もっと玄関からして
ダンボールがぼんぼん積み上げられてて
部屋の中が全体的に見渡せなくて
おーい(≧∇≦)/どこだ~?みたいな…
↑それって引っ越してきた当日なんじゃ(^^;
案外…というか
かなりスッキリしていて
「お邪魔しまーす…」
寝室とかリビングとか…それぞれの部屋に
いくつかのダンボールが残ってるだけだった。
「なんだよ~だいぶ片付いてんじゃん!」
「だから大丈夫って言ったんですけど…(^^;」