第6章 青春のシトリン【N×S】
【ニノ】
なんの因果だよ……(-_-;)
恋い焦がれて止まない想い人と
その元カレと一緒に
引っ越しの片付けをする羽目になった。
そんなことになるんなら、
翔ちゃんに言われた時点で
きっぱりと断ればよかった!
あわよくば……
何て言う俺の邪な気持ちに、
バチが当たったんだ、多分……(;_;)
こんなことになるんだったら
もっと片付けしときゃよかったよ~
変な物見つかったらどうしよう///(・_・;)
「俺さ、明日の準備ちょっとだけやってくわ。
ニノは智くんと先に行ってろよ!」
「えっ??」
「後で飲み物とか買ってくからさ~♪
智くん頑張ってよ~!」
「おう…」
おう…って、おうじゃね~し///
俺とこの人を二人にしないでよ!!
翔ちゃんは俺の返事を待たずに、
さっさと廊下を走って行ってしまった。
………(。-`ω-)
……さて…どうすんだよ、この人…
チラッと見ると、大野さんは大きなあくびをしていた。
見るからに、
役に立ちそうもないじゃん(''◇'')ゞ
「じゃ、ニノ、行こうか?近いの?
ニノのマンション…」
「あ、う、うん…まあ…」
こうして、
すっかり葉桜になってしまった校門までの道を、
大野智と肩を並べて歩いた。
大学生の時、飲みの席に、何度か翔ちゃんが連れて来たことがあって、その時少し話したけど。
こんな風に二人っきりになったのは初めてで…
何話せばいいんだよ??
大体さ…
こんな時は、新人に気遣って、先輩の方から話を振って来るもんだろ~?
緊張した?とか、
趣味は何~?とか…
↑そんなことは聞かない…(-"-)
本とに気が利かないんだよね~
大体翔ちゃんも翔ちゃんだよ!
こんなぼんやりした人と、
俺を二人っきりにして…
全く、何の罰ゲームだよ!?
それに…
「ニノは、翔くんのこと、好き?」
「ふぅえっ??」