第5章 復活アメジスト【S×M】
「髪、拭いて?」
そう言ってタオルを投げると、
自分でもガシガシと拭いた.
言われるままに、髪を拭く潤、
裸の後ろ姿に、見惚れる。
鍛えられた綺麗な無駄のない身体…
懐かしい白い肌に、一気に心拍数が跳ねあがった。
と同時に、
さっき打ち明けてくれた潤の過去。
『そうか』と簡単には言えないのは、
その相手が一番近い相手だという事…
せめて、俺の知らない奴なら、
良かったのに……
自分が、恋人の過去に、
こんなに拘る女々しいやつだっていう事を、
このタイミングで知るなんて……
潤の背中を見つめたままの俺に、
不安そうに潤が声を掛けてきた。
「…しょお、くん?」
我に返った俺は、ニッコリ笑って手を伸ばした。
「潤…おいで…」
「…ん…」
少しハニカミながら、
潤は俺の腕の中に飛び込んできて…
俺はその愛しい塊を強く抱き締めた。
先が見えなくなってた潤に、
先を照らして導いてくれたのが智くんなら、
何も言わずに放り出してしまった俺は、
感謝こそすれ、やきもち妬くなんて、
お門違いだろう…
それは重々承知してるよ。
してるんだけどね……
こうなったら…
↑どうなったら~??
潤の中に残った大野智の残像を、
跡形もなく叩きだしてやる
少し身体を離した俺は、
潤の潤んだ瞳を見つめながら、唇を寄せた。
潤の長い睫毛が下ろされたのを見てから、
そっと自分のを重ねた。
「…んふっ…」
潤の甘い声を聞いた俺は、
一気に欲情に火が付いた。
「潤…好きだよ…」
「ああっ、翔くん…俺も…」
咥内に舌先を差し込むと、
潤もそれを迎えて絡めてくれた。
埋めていきたい……
俺と潤の10年間の隙間…
ゆっくりでいいよね?
だってこれからは俺たち、
一緒に並んで歩いていくんだから…
そうだろ~?
潤………