第5章 復活アメジスト【S×M】
「…あん…のか……」
ちょっと寂しそうな声のすぐあとに
「そりゃまぁ…10年以上たってるからな!
お互いそれなりに…いろいろと……(^^;」
「大野さん…なんだ……」
「………へ?」
「たった一度だけ…俺を貫いたの…
大野さんなんだ……ウチのリーダー…」
「…えええぇぇっっ?」
翔くんの絶叫が
風呂中にこだまする。
これから俺たちが付き合っていく上で
絶対に話しておいた方がいいと思うから…
迷いを断ち切って…話し出す。
「翔くんと会わなくなってからも
俺、だいぶ…ズルズル引きずってた…
まだ…どうにか戻れるんじゃないかって
未練がましく思ってて…」
少しでも密着していたくて
甘えるように身体を擦りつける。
「でも…一年経つころ…
やっぱもうダメなのかなって思ったら
なんだか…すげぇ悲しくなって…
食べ物が喉を通らなくて…心も身体も
シンドい時があったんだ…」
「それに…気づいたのが……?」
「…うん、大野さん…(〃▽〃)
全力で隠してたんだけどね…その時の不調…
飲みに誘ってくれて…話、聞いてくれて…
翔くんの名前は一切出してないよ?
でも相手が男だってわかっても…大野さん…
全然笑ったり引いたりしなくて…さ…
それだけで、俺…救われかけてたんだけど…」
「…けど?」
「俺がその想い…断ち切ってやるって…
それでお前が前を向けるならって…
5人で笑顔で…歩いていこうって…」
「…智くん…」
「それで翔くんのこと…綺麗さっぱり
忘れられたわけじゃないんだけどね?
少なくともその時の心身の不調からは
抜け出せたんだよね…嵐としての自覚を…
呼び覚ましてくれたというか…」
「…そ、か…」
翔くんの手が優しく俺の身体を抱きしめ
首筋にムチュウ…と唇が押し当てられて
話してよかったって…思えたんだけど…
聞こえるか聞こえないかの小さなため息と
少しだけ小刻みに震える身体…
…気になる(。ー`ωー)