第1章 魅惑のルビー【S×O】
【SATOSHI】
トクトクトクトク……
まだ少し荒い呼吸の下で
しっかり聞こえる翔くんの鼓動。
俺のもきっと…翔くんに聞こえてる。
あ~~……この事後の甘い抱擁…
これ、すげー好き❤
「智くん…?」
トロトロと…
心も身体も甘ーい余韻の中にいた俺を
翔くんの優しい声が揺り起こす。
「もう…なんなの、アナタ」
「なんなの??…なんなの、って…」
「可愛すぎ…だから❤」
「……ふぇ?」
ギュギュッとメリ込むほど
翔くんに抱きしめられる。
「はあああぁぁぁ~~……❤」
そんで……とんでもなく長いため息。
「智く~ん♪…オレ幸せぇ……❤」
鼻先をスリスリとすり寄せながら
しみじみとつぶやく翔くん…
今日は、君の方がよっぽど…
「この間のワク学でさ…」
俺のこと抱きしめながら
突然翔くんがポツポツと話し始める。
「セクゾ君たちの人気やパワーを
感じざるを得なかったり……」
翔くん…?
…どしたよ?…急に……
「新しいユニットがデビューしたり……
ウチらの20周年のツアーも始まる……」
すごく小さなため息がもれて。
「俺たちも着々と40に近づいててさ……」
「なんだよ……どした?」
「智くん…今年38になるんだよ?」
「だから…それがどしたよ?」
「…………」
返事の代わりに
またギュギュッと抱きしめ直されて。
「智くんは…怖くなること、ない…?」
「…怖くなる?」
「うん…このままで、いいのかな…とか」
俺は密着している体を少し離して
翔くんのことを見つめた。
「この先…どうなっていくのかな…とか」
デカい瞳と長い睫毛が
フルフルと揺れている。
やっぱ…今日は翔くんの方がずっと…
可愛いーや…(≧▽≦)❤