第5章 復活アメジスト【S×M】
小さく深呼吸して。
「…まずは…ちゃんとお祝いしよ?」
翔くんの腕を離して
不安そうに揺れる瞳を見つめて
できるだけ穏やかに微笑んでみせた。
「今日は…ゆっくり話そうよ」
翔くんはちょっとだけ驚いたように
目を見開いたけど
すぐにニコリと笑って頷いてくれた。
リビングに戻ると
ちゃんとテーブルを確認。
「海鮮しゃぶしゃぶだね♪」
「うんまそ(^^♪」
それならば…と
白ワインがあることを願いながら冷蔵庫へ向かうと
白のスパークリングがあった♪
グッジョブ(≧∇≦)b
誰のチョイスかな~…?
なんて考えながら
手早くワイヤー付きのコルクを外して
テーブルに戻ると
翔くんが白菜や人参を鍋に入れ始めていた。
あぁ…この風景…
楽屋の鍋部とは違う
アルコール付きの家飲みの感じ…
あの頃に戻ったみたい…(*´`)
当時は俺もそれほど料理はしてなかったから
冬はしょっちゅう鍋をやってた。
切って入れるだけだったから
翔くんと一緒に楽しく準備できたし…
グラスにスパークリングをつぐと
シャンパンゴールドが綺麗に泡立つ。
「翔くん…37歳おめでと♪」
「うん、ありがと(*^^)♪」
俺がグラスを差し出すと
照れくさそうにカチンとぶつけてきて
目を細めてキューっと流し込んだ。
「あ…(*^^*)辛くてうめぇ♪海鮮に合うな~」
グラスを置いて
楽しそうに鍋を弄り出した翔くん…
やっぱり…大好きだよ……
ずっとずっと変わらない気持ち。
嵐でいることを優先させて
飲み込み続けてきた想い。
今日は…俺……全部……(〃ノωノ)
…まずは。
「翔くん…?」
「…ぉん?」
「みんな、さ…
用事を優先させたんじゃ…ないからね?」