第5章 復活アメジスト【S×M】
【二宮】
さてっと。
種は巻いた。
後は芽を出すのをじっと待つだけ。
まあ、視覚的には刺激してくよ~?
今まで通りにね…
「ねえねえ、翔く~ん♡ちょっとこれ見て!」
大野さんがスマホの画面を翔ちゃんに見せている。
そんな顔くっつける必要、無くね!?
ってくらいに顔を近付けて…
後ほんの少しで、頬と頬がくっつくくらいに顔を寄せている。
全く……よくやるよ(〃ω〃)
翔ちゃんに出来るだけくっ付いて、
松潤をイライラさせる…
っていう使命を彼に与えた、けどさ…
でも……
効果、あり…だな♪
俺は相葉さんとこっそり顔を見合わせた。
動画を仲良く見ている上の二人を、
じっと見ているのは……松潤だ…
感情のないビー玉みたいな目が、
逆に彼の心の奥を映しているようだ。
明らかにイライラしてる…
翔ちゃんと大野さんが仲良くしているのを
良く思っていない…
良く思っていないどころか、
大野さんを見る目に、軽い殺意を感じるよ(^^;
気付いてなさそうだから、
後で気を付ける様に、大野さんに言っとこっと!
「ねえ、ニノ…誕生日に何すんの~?
まさかさ、ホントにケーキ食べてババ抜きとか、
そんなのする訳じゃないんでしょ?」
相葉さんが耳元でそう言った。
「さぁ~て。どうかな?」
小声で言ってニヤリと笑うと、
相葉さんは眉を下げて笑い返した。
大丈夫だって!
またおかしな猿芝居頼むわけじゃないから♪
あれじゃ、翔ちゃんに気付かれちゃうよ~
まあ、気付かれても構わないんだけどね。
ふたりを意識させることが目的なんだからさ!
ゲームをする振りで松潤を見ると、
珈琲を入れに席を立った翔ちゃんを、追いかける様に立ち上がった。
こっちに背を向けているから何を話しているのか分かんないけど…
翔ちゃんになんか言われて、
パッと輝く笑顔を見せた。
……気づけよ~、櫻井翔(^^;