第5章 復活アメジスト【S×M】
そんな二人を前にして、
言葉が出ない俺……
望む……?俺が?
俺が……今更、何を望むっていうんだよ~…?
もう、過ぎたことだし…
何よりも、俺がどんなに望んだとしても、
向こうが…
「おはようございま~す!」
「おはよ。俺最後~?」
「わあっ///」
その『向こう』が智くんと一緒に
急に登場するからさ…
びっくりした俺は椅子から落ちそうになった。
「翔くん!大丈夫~?どうしたの?」
潤が俺の腕を掴んで立ち上がらせた。
智くんが首を傾げながらそんな俺を見ている。
「いや、何でもない!!
ちょっとびっくりしただけだから!!
俺もトイレ行っとこっかな~?」
潤の手を振り解いた俺は、
4人の視線から逃げるように、その場から離れた。
………あいつ等…こえ~よ、マジで(>_<)
何が言いたいんだよ?
言いたいことがあるんなら、ハッキリ言えよ!
……いや、はっきり言われたら困るかっ(-_-;)
いったい、俺にどうしろって……?
俺、そんな悩んでるように見えてるのかな?
にのあいのラブラブな時間に
俺の話題をしたっていうのもなんだしさ…
……(。-`ω-)
…………まさかね…
知る訳……ないよな?
俺と潤の過去……
誰にも気づかれてなかったはずだし、
最近だって、
特に何かアクション起こしたわけでもないし…
あいつ等、鎌をかけてきてんだ、きっと。
……落ち着け…
落ち着くんだ……俺。
『俺たちでサポートするよ!』
そんなこと言われても
俺は何も望んじゃいない…
いいんだ…
今のままの俺たちで…
このまま自然に隣に居れる…
それだけでいいんだ……
一緒に鍋を囲み、
コンサートを作り上げ、
それが俺の望みなんだから……
……翔くん
………しょおくん
あの頃の潤の声が、
遠くで聞こえた気がした。