第5章 復活アメジスト【S×M】
【櫻井】
昨年末。紅白の司会という、
俺に回ってきた最後の大仕事…
俺個人に……というよりは、
『嵐の櫻井翔』に来た仕事だっていうのは分かってたから、失敗は絶対に許されなかった。
俺がやらかせば、それはイコール嵐の名前に泥を塗ることにもなる訳だし。
まあそれは紅白に限った訳じゃないけれど…
音楽番組の司会は、何度も経験していて、
本音を言ってしまえば、
上手くやれる自信はあった。
自信はあっても、やっぱりNHKの紅白って、いつもは感じない独特の緊張感が漂っていた。
そんな紅白の司会も、他のメンバーに応援してもらって、なんとかこなすことが出来た。
肩の荷を下ろして迎えた新年……
今年の仕事始めは、5人での撮影だった。
5人でスタートを切れることは、結構レアなことで…
大抵、俺のZEROが先だったりしてたからね。
んで、その楽屋。
気合いの一番乗りの俺は、ソファーに座って新聞を開いていた。
……にしても、参ったなぁ……(^^;)
何に参ってるかって〜?
まあ、それはさ、
色々なんだよね……
一言では言えない、複雑な男心…
とでも申しましょうか……
「おはよ~!早いね、翔ちゃん♪」
二番目に登場したのはニノ。
「おっ!おはよ(^^)一人~?」
「あ~、トイレ寄って来るって…」
主語が無くても、トイレに行ってるのは誰なのか…
分かってしまうのがまた…
「おっはよ~!!翔ちゃん!気合入ってんね~♪」
いや、君ほどでもないけどね…(´-`*)
相葉くんは迷うことなくニノにくっ付いて座った。
「ちょっ///も少し離れて座れよ!」
「そんな~、いいじゃん!
こうしてた方があったかいしさ~♡」
「あったかい通り越して熱いんだよ!お前は~」
そう言いながらも、嬉しさを隠せないニノ…
その顔は、もう愛が溢れ出ちゃってて、
見ているこっちの方が赤面するレベルで…
もしかして、本人は気付いてないのかな?