第5章 復活アメジスト【S×M】
そんな日々の中で、みんなも大人になり…
中でも一番変わったのが松潤だった。
子ども丸出しだった目の大きな少年は、
いつしか、いっちょ前の尖がった青年に成長していた。
いつまでもガキじゃね~んだから、
『翔くん、翔くん』なんて、
くっ付いてる訳ないしね……
ふたりが距離を取ったと感じて暫くしてかな?
そんな二人を纏う空気が違った、
そう感じたのは……
何が、どう変わったとは言えないんだけど、
何となく…
何かが違う…
一人立ちした子どもが、親から離れたがってるのとは違う…翔くんとの接し方が、明らかに不自然で…
ずっと、その違和感を感じたまま仕事していたんだけどさ。
ある日気付いちゃったんだよね~…
翔ちゃんに必要以上に近付かないようにしている松潤の態度……
それは、付き合い始めたクラスメイト同士が、
意識しすぎて目も合わせられなくなる…
高校で見た、そんな奴らと一緒だ。
翔ちゃんと松潤が…?
付き合っている??
俄かには信じ難いその事実にたどり着いた俺、
そう思って二人を見ていると、
その思いは、徐々に確信に近付いたんだ。
『あのふたり……』
男同士だし、
メンバー同士だし、
普通じゃ考えられないけど。
楽屋で。
翔ちゃんの笑い声に…
他のメンバーとのやり取りに…
いちいち反応して赤くなったり、青くなったりしている松潤のその姿…
それはもう、どっからどう見ても、
恋する少女のようだった。
だからって、それを他のメンバーに話そうとか、
ましてや、どっちかに確認しようなんて気はさらさらなかった。
それが事実だったとして、
俺はどうしたらいいのか分かんなかったし、
俺なら、気付かない振りをして欲しいかな?
って、勝手にそう思って、
それ以上の詮索も、追及もしなかった。
付き合っているならそれでも構わない。
仕事さえちゃんとしてくれれば、それで……
そう思っていた。