第5章 復活アメジスト【S×M】
【松本】
今年のツアーが始まったとき
相葉くんがニノとの一年越しの恋を実らせた。
それは傍から見てても
もうホントに焦れったい恋で。
中学生かよ( ̄∇ ̄*)!
って突っ込みたくなるのを
何度も飲み込んできた。
それも一年もの間……
でも…もういい加減
我慢できなくなっちゃって…
ツアーが始まってから
ちょいちょい細工して
やっとだよ…(;^_^A
でもさ…
ニノと気持ちが通じ合ってからの相葉くんは
本当に本当に幸せそうで…
正直、羨ましいと思う。
あんなに素直に喜びを表現できて…
どんなにニノに冷たくされても
ニコニコしちゃって…
そんなニノのことも
全てわかってるよ的な優しい眼差しで
大きく包んであげてんだよな。
んでニノも…ホントはわかってる。
そんな相葉くんの優しさを…
なんだよ!
こんな老夫婦のように分かり合えてるなら
さっさとくっつきゃよかったのに!
あれから一ヶ月
いろんな楽屋で彼らを見るたび
そんなことを思って……
そんで…
俺と翔くんは
どう…見えてたのかな…?
なんて…
最近はよく考える。
付き合ってたことは
周囲にはもちろん
メンバーにすら言えなかった俺たち…
あれから10年以上たってる今だから
にのあいの恋は応援できたけれど
それはこの10年という
次の濃密な期間があったからであって
あの時の俺たちには
それはある意味…
狂気であったかもしれなくて。
どんなふうに
見えて…いたのかな…
不安に押しつぶされそうな
震える心を抱きしめ合って
寄り添っていた俺たちのこと…
昔から翔くんを慕っていた俺が
いつまでも追っかけてくっついてる…?
それとも…
まさか滲み出ていたかな…
互いを必要として
激しく求め合う仲だったことも。
近くにいて
いつも同じような不安と未来について
語り合ってたメンバーには…
もしかしたら…?
そんなふうに考えたこと
なかったけどさ…