第5章 復活アメジスト【S×M】
【櫻井】
ニノが撮った、俺と潤の鍋を囲んだ写真、
アップしたら案の定、ネットがざわついた。
ファンは、俺と潤の絡みをなぜか喜ぶんだ。
普段あまりスキンシップを取らないから、
『レア』なのだそうだけど…
そんな風に見られてるって思ったらさ~、
何だか余計に近付いていけなくなり…
見ようによっては
ぎくしゃくしてる様にも見えるらしく…
有吉さんにも『不仲説』と、
面白可笑しく弄られたりして…
そんな風だから、
潤との距離の取り方とか、
自然な仲良し風のスキンシップさえ、
分からなくなってしまっていたのが事実だ。
「俺が撮った写真、ファンの子喜んでくれたみたいだよね~(^^)」
そう声を掛けて来たのはニノだ。
俺たちのレギュラー番組の、
今年最後の収録があって、一番に楽屋入りして新聞を読んでいたら、ニノが一人でやって来た。
「あ、おはよ…相葉くんは?」
「昨日はマナブのロケで遅かったみたいで…
ってさ!俺たち毎日一緒にいる訳じゃないからね~!!」
そんな、聞いてもいないのに言い訳して、
赤くなってるニノが、何だか可愛い…
「別にいいんだよ~?毎日一緒でも♡
なんなら、一緒に暮らしちゃえばいいじゃん♪」
「やっ、やだよ!!暑っ苦しいし、
ゲームしててもくっ付いて来て邪魔するし、
毎日何て居たら、俺の身がもたな…」
そこまで言って、ニノが、さっきより真っ赤になったその時、相葉くんと潤が一緒に楽屋に入ってきた。
「おはよう~!!ニノ♡早いじゃん( ◠‿◠ ) 」
ニノしか見えてないんですかね~?
「翔くん、おはよう!」
潤が、サングラスを外しながら、
俺の側まで来てニコッとした。
その様子を、ニノがじっと見つめていた。
「あ、お、おはよ!そのコート見たことないやつじゃん!!」
なんだか動揺しちゃって、
訳の分かんない事言っちゃった。