第5章 復活アメジスト【S×M】
だから…
花男が始まり
俺たちの人気や売り上げが
安定してくるとともに
一緒にいることが
少なくなっていった。
もちろん
忙しくなって時間がなくなった
ってことも大きいけれど…
不安を消してもらう必要がなくなった
っていうのが…事実なのかな…?
でも俺は…
俺は…本当は……
だから…
今も忘れられない。
いや、忘れられないんじゃない。
忘れたくないんだ。
翔くんのこと…
翔くんの、全部を…
あれから…
時が流れた。
嵐はジャニーズきっての
仲良しグループとして知られてきてるけど
俺と翔くんは途中で不仲説が出て
それを茶化しながらも隠れ蓑にできた。
実はあれは
ありがたかったんだ。
メディアの前でも
いい感じに距離がとれて
ガキだった俺が30代になって
そのまオトナになりました…っていう
そんなふうな
落ち着き方をしてるんじゃないかな…
…世間的には。
翔くんは……
翔くんは
どう思ってきたんだろう…俺とのこと。
いや…ホントは
これについては
あまり考えないようにしてきた。
だって…
年下のメンバーの不安を
解消するために仕方なく
付き合って抱いてやってた…
アイドルの端クレとして
女を作るリスクよりは、と
俺との関係を選んだ…
尖ってツンツンしてた俺に
言うことを聞かせるため
愛を囁いて骨抜きにした…
…なんて。
考え出すと悪い方にばかり
転がっていくから…