第4章 琥珀色の恋【A×N】
【MASAKI】
……楽屋の大きな時計は、
11時を指そうとしていた。
「おはよ…って、早いね~」
俺たちの次に、楽屋に登場したのは翔ちゃん。
ちらっとニノを見て、優しく微笑んでから、
俺にその笑みを向けて、
「相葉くん、お誕生日おめでとう~!」
と俺の肩を強めに叩いた。
「あ、ありがと…」
翔ちゃんは、『でっ??』
って顔して俺を見た。
ニノは俯いたままゲームをしていたけど、
その瞬間、顔を上げた。
……そうだよな…俺には……
俺たちには、報告の義務がある。
そんなに部屋そのものを堪能できなかったとはいえ、お陰様ではあるんだから…
「…えっと…」
何から話そうかと、口を詰むんだその時、
「おはよ~…」
大ちゃんが入ってきた。
彼は俺とニノを見比べて、ニヤリと笑って自分の椅子に荷物を投げた。
「さて、っと…」
そんで、なぜか翔ちゃんのソファーに座って、
ワザとらしく脚と腕を組んだ。
すると、翔ちゃんもその隣にくっ付いて座り、
俺たちを見た。
……よし!話そう!
何から何まで話す必要はないよね?
無事に『コト』が済んだかどうか?
それだけは報告しなきゃ…
俺は、話したくない訳じゃないし。
なんなら、ニノちゃんの可愛い乱れた姿を、
事細かに自慢したいくらいだよ?
……だけど。
俺の恋人がさ~(^^;
ほら、シャイだから( *´艸`)
それでも、覚悟を決めて話そうと、
俺が息を吸い込んだその時、
「まだいいよ!松潤が来てからで~。
二度も話すの大変だし、ね?」
「うん…まあ、二人を見てれば、大体のことは分かるけどね~…ね♪」
……くっ付きあって、『ね❤』とか言って微笑み合ってる二人は、なんだか俺たちよりずっと、『カレカノ』感が強く思えた。