第4章 琥珀色の恋【A×N】
「なんか、飲む?」
「あ~、じゃあ、ビール…あるかな?」
冷蔵庫を開けると、
缶ビールが1缶…
「あったけど、一個しか…」
するとニノは、グラスを二つ出して来た。
「半分こ、しよ?」
はんぶんこ??
ニノが言うと、何て可愛く響くんだ(≧▽≦)
『はんぶんこ♡』
こんなに可愛い言葉だったなんて、初めて知った!
「ほら、何やってんの?それちょうだ~い」
「あ、ああ、はい…」
俺の手からビールの缶を受け取ったニノは、
二つのグラスに350mlの中身を、
上手に『はんぶんこ』して、
その片方を俺に差し出した。
琥珀色の透明な液体からは、
綺麗な泡が、キラキラ立ち上っていた。
「こんくらいで丁度いいよ?」
「うん、そうだね…しこたま飲んできたしね」
俺たちは軽くグラスを合わせて、
中の琥珀と小さな泡の粒を喉に流し込んだ。
「あ~、うまっ」
「ね~」
風呂上がりの乾いた身体、
その隅々までアルコールが染みわたるようだった。
えっと…何話そうかな…
……え~…
「…上手くいったよね~?」
「え?…上手く、って??」
「『UB』…セーター持って来るんなら、言ってくれればよかったのに…まあ、流石には着れないか~…」
急にセーターのことを言われて、ドキッとした。
「そ、そんなの無理だよ~!松潤に怒られるし!!」
「ふふふ…だね~(^^)」
「そっ、そうだよ~…」
あーーーー///
俺なんかしどろもどろじゃね??
「声、ガラガラ」
ニノに指摘されて、またドキッとする。
「えっ?あ~、ホントに…翔ちゃんも珍しく酷い声してたよね?」
「ね~!ZEROでニュース読めるかな~?」
「変わってやる訳にもいかないしね~?」
「ははは、それは無理だ~」
その後、他愛もない話をして、
ニノは部屋に帰ることに…
「お疲れさん!」
帰り際、ニノの背中に声を掛けると、
ニノは振り返らずにピースを作って、出て行った。
俺はいつまでも、
ニノが消えたドアを見つめていた。