第4章 琥珀色の恋【A×N】
【MASAKI】
……………分かってるよ………
そんなの、始めっから……
ニノは俺のこと、
メンバーで、友人の一人くらいにしか
思ってないってこと。
そんなの最初っから、
分かり切ってたくせに!
少しイヤな顔されたからって、
家に呼んだら、露骨に迷惑な顔されたからって、
そんな落ち込む必要、ないよ……
これじゃ、まるで………
まるで、ニノの事……
……………………
「ぁ、痛って///急に立ち止まんな…
って……どうしたの?」
えっ?
ニノが俺の顔を覗き込んでいる。
見慣れた可愛い目…
悪戯っぽい優しい瞳…
「いや、何でもない!何でもないって!!」
「急に止まんなよ~、しかも何で2回言った?」
少し笑いながら、
『二宮和也』は俺の隣に並んだ。
ずっとこうやって並んで歩いて来た。
Jr.の頃、総武線で原宿に通っていた。
……いつもいつも、一緒だった。
20年…積み上げて来たこの関係を、
俺はどうしたいんだろう??
ニノと……
どうなりたいんだろう?
リハーサル室のドアを開けると、
いつもの顔が笑顔で俺達を迎えてくれる。
「相葉くん、大丈夫~?」
「ニノの風邪、うつったの?」
リーダーと翔ちゃんが並んでコーヒーを飲んでて。
ニノは、俺の隣を自然にすっと離れ、
リーダーの隣に座った。
……いつもの風景だ。
なのに、俺の胸はチクンと痛んだ。
その小さな痛みを、
胸の中にグッと押し込んで、
俺は笑った。
「さ!やろうぜ!余裕かましてる場合じゃないよ~?」
無駄に張り切った俺の掛け声に、
スタジオ内は笑いに包まれた。
これでいい……
悩んでる場合じゃない!
今は、目の前に迫ったコンサートの事に
ちゃんと集中しなきゃ…
……考えるのも、
悩むのも、
落ち込むのも、
それからだ。
そうだよな!?
相葉雅紀!