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Jewelry♢ボックス【気象系BL】

第4章 琥珀色の恋【A×N】



唐突に叫んだ相葉さんの顔は
ビックリするくらい真剣で…

ビックリするくらい…カッコよくて…

視線を逸らすことができず
しばし見つめてしまった。

『そんなことあるわけない』

そう言えばいい。

この曇りのない
どこまでも澄みきっている瞳に

俺の…大好きな瞳に…

そう言ってやればいいんだ。

それを言っても
相葉さんに対する個人的感情だとは
思われないセリフなんだから。

『大好きだよ?…メンバーとして…』

そう…思ってくれるはずなんだから。


俺は息を小さく吸って
全力で否定しようとした…

…その時

ガヤガヤという喋り声が近づいてきて
スタッフさんが数人入ってきた。

「あ、おつかれさまでーす」
「…れっす」

会話が途切れたまま
自然にトイレから排出され
スタジオへの廊下を歩き出す。

「…あ、あの…相葉さん?」

恐る恐る声をかけたら

「今日、やるから…」

なんだか…
相葉さんらしからぬ低い声で
前を向いたままボソリと答えるから

「わ、わかったよ…」

もう逃れられないと思って
少しため息混じりに出てしまった俺の返事…

それを聞いた相葉さんは
少し悲しそうに…切なそうに…?

チラリと俺を見たけど。

何も言わずに
そのままスタジオまで無言で歩いた。


俺は…やはり無言で
一生懸命早足の隣りを歩いていたけど

胸の中は張り裂けそうに
嵐が吹き荒れていて…

『UB』のダンスが上手くいかないのも
最近こういう小競り合いが多くなったのも

全ては…

俺が相葉さんのことを
好きになってしまった…せい、で。

ダンスの練習のことも
俺の体調の心配も

相葉さんはいつものように
誠実に全力で向き合ってくれているのに

俺の反応がギクシャクすることで
彼のことを傷つけてしまっている。


ホントに…俺は…

どうしたらいいんだろう………


とりあえずできることは
今日の全体のダンスをズダボロにしないこと。

そう思いながら
相葉さんに続いてスタジオに入った。


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