第4章 琥珀色の恋【A×N】
【KAZUNARI】
翌日は
リハ集合時間のギリに入るように行った。
それが一番自然だ…と踏んだんだ。
いちおう…病み上がりなわけだから?
体調復活したからって
張り切って早めに入るなんて…
俺らしくないかな、…ってさ。
んで…
当然と言えば当然、だけど…
すぐさま相葉さんに近寄ることなんて
できるはずもなく……
「もう大丈夫なん?」
「うん、ありがと…」
声をかけてくれた翔さんと話し始めた。
どことなくソワソワしながら…(@_@。
もちろん今日も
演じるのは「二宮和也」だから。
いの一番に相葉さんにすり寄って
「昨日はありがとね」
なーんてことは言わないでしょ?
普段の俺なら…(*^^)v
ナニ気にさり気に
二番目か三番目くらいに近寄って
サラリと言えばいーんだ。
だから…
今は翔さんと会話するのがベスト。
次は潤くんあたりに声をかけて
昨日のことを謝りながら
さり気なく相葉さんの隣りに
荷物を置くかな。
あ…大野さん、寝てるわ…( ̄∇ ̄*)
そんなことを
数秒の間にクルクル考えていたら
「相葉さん…顔が赤いよ?」
「ちょっと、トイレっ!」
嵐のように
相葉さんが飛び出していってしまった。
なんなの…(*゚◇゚)?
と、とりあえず
予定通り潤くんに声をかける。
「監督…昨日はさーせんでした…」
「ん~身体…ちゃんとリセットしてきたぁ?」
「はい…そこはまぁ、きちんと…」
「こじらせると大変だからねぇ…」
「ですよねぇ…」
「風邪も……恋煩いも、ね?」
「…はいぃ?」
「相方との仲も直してきたんだろうねぇ?」
「えっと、まぁ……はぃ…」
「声がチイせぇなぁ…おい……」
「ちょ、ちょっとトイレ!」
ギラリと光る潤くんの瞳が怖すぎて
俺もスタジオを飛び出してしまった。
もう…
あの目ヂカラ…
どうにかして…(;^_^A
廊下に出て
ホッと一息ついて。
し、仕方ない…
相葉さんに
昨日のお礼を言いに行くか…
ゆっくりと
トイレに向かって歩き出した。