第4章 琥珀色の恋【A×N】
翌日、リハのスタジオに、
ニノは普通の顔してやってきた。
俺のことをチラリとも見ないで、
『大丈夫?』
と先の声を掛けた翔ちゃんの方に行ってしまった。
………まあね、いいけどさ。
別に、そんな、感謝されたかった訳でもないし。
鍋、作ってやったんだって、
俺が勝手にしたことだし…
………でもそんな、翔ちゃんと笑顔でさ。
俺に何にも言わないのに…
あ……
なんだこれ!?
俺………
これじゃ、まるで、
俺がニノを好きで、翔ちゃんと話してるからやきもち妬いてるみたいじゃんか!!
ハハハハッ、ハハッ……(-_-;)
自分が考えたことに驚いてしまって。
俺は慌てて携帯を出して、
意味のない検索をしたりしてみた。
俺が……
ニノを…
す…す…すっ……っ…
ああああああああぁぁぁぁ/////////
何だこれ??
マジで、俺…ニノの風邪がうつったのかな??
「どうしたの~?相葉ちゃん…顔が赤いよ?」
「ちょっと、トイレ!」
俺はその場から逃げる様にトイレの個室に駆け込んだ。
落ち着け…俺…
そんな筈、ないじゃん!!
ニノは男だよ??
知ってるよ!!
ちゃんと立派なの、付いてるし!
なんなら、俺よりずっと立派だし!!
↑それは今は関係ない
俺は、ノーマルだよ?
だから、
ニノをす、す…好き、だなんて、
そんなことがあるはずない…
俺少し疲れてるんだ。
コンサートで…
振りが覚えらんなくて、詰め込み過ぎて…
それで変になってるだけ……
男を…なんて、そんな訳…ないよ!!
俺は自分自身に暗示をかける様に、
何度も何度も心の中で、言い聞かせた。
ぎゅっと目を閉じた瞼の裏で、
ニノはキラキラ…天使みたいに笑ってた。