第4章 琥珀色の恋【A×N】
【MASAKI】
ニノの部屋から出た俺は、
エレベーターの前で、ボタンも押さずに考えていた。
……すっかり、無かったことにされてたな。
突発的だったとはいえ、
抱き締めちゃった…俺…
冗談だって…
そう流された…揶揄ったんだって…
そう…だよな…
俺、ニノの事、揶揄ったんだ…
そうでなきゃ、
説明がつかないよ(-"-)
急にあんなことした自分が、
何をしたっかったのか?
あの突然の行動に意味があったのか…
………ちらっとみてしまったニノの胸…
そこに息づいてた、可愛らしい粒が…
俺の思考を奪った。
気が付いたら、ニノの身体を引き寄せて、胸の中に抱き締めていた。
メンバー、なのに…
男同士、なのに…
ニノ……なのに…
………ニノ…ダカラナノカ??
俺、ニノだから、抱き締めたかったのかも。
はあ~…(´・ω・`)
よかった。
ニノがマジに受け取ってしまわなくて。
きっと軽蔑された。
「キモッ」とか言って、
その後はもう俺に触りたくないとか言われて、
嫌われただろう…
そんなことになったら、俺///
ニノに嫌われたら俺、
もう生きていけないよ、きっと…
ニノは幼馴染で、
嵐のメンバーで、
親友で、
兄弟で、
……家族で……
そんなニノに、距離を置かれるようなことがあったら、俺、コンサート、乗り切れない。
「よし!!帰ろう!」
俺、エレベーターの前でバカみたいに、
どの位突っ立って居たんだろう?
気合いを入れるためにも、両頬をペシペシと叩いて、俺は上がってきたエレベーターに乗った。
明日会ったら、普通の顔して、
『おはよう!』
ってそう言おう。
きっとそう言えるよ…
ニノとは、ずっと仲間だったんだから…
これからも、変わらない、
大切な仲間…だから…
………なんでかな?
胸の奥が、こんなに痛いのは…