第4章 琥珀色の恋【A×N】
ドキドキして、挙動不審の俺を、
ニノがじっと見つめていた。
「な、何っ??」
「いや、ビール…飲むかな?と思って…」
「え??ビール?いただきます!もちろん…」
ニノは、ニッコリして、俺のために冷蔵庫からビールを出してくれた。
さっきと同じ動作で…
………俺は慌てて背中を向けて、
『ソレ』を見ないようにした。
また見ちゃったら、今度こそ、
おかしなことになりそうで…
自分が変態になったのかと。
今まで何度も何度も、ニノの、
ち、ち、ち…
↑乳首と言えない('ω')
見てる筈なのにさ~
どうしてこんなにドキドキしちゃうのかな?
「はい、どうぞ」
「え?あ、うん、ありがと!」
「できたの~?」
ニノはそう言って鍋の中を覗き込んだ。
「うん、もう直ぐだよ…」
「楽しみだな…」
「う、うん…」
どうしてだ?
なんで、こんなに、ニノを可愛いと思ってしまうんだろう??
俺は、その気持ちの正体が知りたくて、
思わず、リビングに行こうとするニノの手首を掴んだ。
「えっ///」
ギクリッ、と一瞬身体を硬くしたニノは、
驚いた拍子に、手に持った缶ビールを落としてしまった。
「「あ…」」
琥珀色の液体が、
キッチンの床にゆっくり広がっていく。
「ごめん!!」
「ぞうきん、取ってくる///」
そう言って背中を向けようとしたニノの腕を、今度は強い力で引き寄せた。
ニノの小さな身体は、俺の胸にすっぽり飛び込んできて……
「!!」
「……」
背中をきゅっと引き寄せると、ニノはそのまま俺の胸に顔を埋めた。
でもそれは、ほんの一瞬で、
「冗談も大概にしろよ!!」
そう言って俺を突き飛ばして、
キッチンから逃げてしまった。
………俺、今、何やった!?
今の……
俺がしたことって、夢だよな!?
なんで、あんなことしたんだよ!?
どうしよう!?
呆然と立ちすくむ俺は、
広がる琥珀を、為す術もなく
ただ見つめていた。