第4章 琥珀色の恋【A×N】
寝てる設定なのに
どんどん顔が熱くなっていくのがわかる。
ヤバい…なんだこれ…
誤魔化さなきゃ……
俺は寝返りを打つような素振りで
ブランケットを口まで引き上げて
相葉さんに背を向けるように
モゾモゾと体を動かした。
これで一安心……
家に着くまでに落ち着こう……
そう思った瞬間
伸びてきた温かい手のひらが
ほっぺとおでこをスルリと撫でていった。
どひゃーっっ(>ω<〃)!!
って叫ぶのは
なんとか我慢したけどさ…
身体がピクッて揺れるのは
どうしても堪えられなかった。
「…ニノ?」
「ん」
「…だいじょぶ?」
だから……(。ー`ωー)
だいじょぶじゃないっつの……
「ん」
世界一短い返事を返して
また寝たフリを強行する。
ホントに、もう……
俺……認めなきゃ…ダメ、かな……
相葉さんのこと……
相葉さん、の……こと………
俺を気遣うような優しい運転に
ゆりかごの中にいるような気持ちになって
気づいたら…
本当に寝入ってしまっていた…みたい。
「…ニノ……着いたよ?」
温かな声とは正反対の
冷たい風に身体がピキっと硬くなり
俺はうっすらと目を開けた。
全ての荷物を持った相葉さんが
助手席のドアを開けて
心配そうに俺のことを見てる。
「抱いていこうと思ったんだけど
マンションのキーがないからさ?」
そのセリフに
フワフワとさまよっていた俺の意識は
バチコーン!と戻ってきてくれた。
嵐が嵐を抱いて
部屋の中に消えていくなんて…
数千万円で売買されるネタだろっ(>ω<〃)
それくらいわかれよっ(>ω<〃)
「歩く歩くっ!自分で歩くから!」
「そう?キーさえくれたら俺が抱い……」
「はいっ…行くよ…っ」
俺は相葉さんの言葉を遮って
慌てて車を降りた。
もうっ…(>ω<〃)
その天然…
こんな時までやめろやっ…
顔の赤みとか火照りとか
気づかれないように
サッサと相葉さんの前を歩きながら
俺はただひたすらに
自分の部屋に早く着くことを願った。