第4章 琥珀色の恋【A×N】
【MASAKI】
ほっとけなかったんだよ…
何だか元気がなくて、
無理してるっぽくて、
極めつけは松潤に怒られちゃったニノの事。
俺はね?いつものことだからさ!
↑開き直るんじゃないよ~
そんなに気にもなんないけど…
ニノは、メンバーに怒られることなんか、普段はないから…
ついつい送ってくって、そう言っちゃった。
一人にできなかったんだ…
まあさ~、
マネに任せればいいんだろうけど…
普通は任せるんだろうけど…
………何でかな?
気になって仕方がないんだよ、あいつのこと。
自分でも、どうしてこんな気持ちになるのか、
説明できないけど…
出来の悪い兄弟をほっとけない?
あ、俺の方がよっぽど出来は悪いんだけどさ。
……あ~!!もう~///
何なんだろ?このモヤモヤ!!
自分の気持ちがよく分かんなくて、
俺は少しイライラしてて。
「あ~///」
って、知らないうちに髪の毛を掻きむしっていたらしく…
「俺のことなんかほっといて、戻れよ」
急いでニノの後を追いかけて出てきたのに、そんな風に言われて、我に返った。
「え??いや、送ってくよ!」
「いいって…」
「ダーメ!!今日は送らせてくれよ!この通り!!」
大袈裟に頭を下げると、ニノは、
「…じゃ、お願いします…」
と、ぼそりと言った。
……ニノと肩を並べて歩く長い廊下……
何でかな?
こんな近くにいるのに、
遠く感じるなんて…
……これじゃ『UB』の歌詞みたいだよ…
……『UB』の?歌詞…?
俺…もしかして…?
いや、そんなはずはないよな?
ある訳ない///
「何してんの?
乗せてってくれるんでしょ?」
気が付けば、
ニノは俺の車の助手席で待っていた。
「あ、ごめんごめん!」
俺はポケットから鍵を出してロックを解除した。