第4章 琥珀色の恋【A×N】
「……ニノ…?」
ニノは真っ赤な顔して俺を睨んだ。
えっ??どうして…?
俺そんな怒らせるようなこと…
でもそれはほんの一瞬で、直ぐいつものニノに戻って、
「もう~、熱なんかある訳ないじゃん!」
って…
相変わらず赤い顔して、俺から顔を背けたニノは、
「あ~、腹減った!なんか食べよっかな~?」
と、そのまま俺から離れて行ってしまった。
………なぜだろう…?
胸の奥が、チクリと痛んだ。
その痛みの原因を探すけど、よく分からなくて…
俺はぼんやりとニノの後姿を見送っていた。
「相葉先輩~、完璧でしたか~?」
そんな俺に、翔ちゃんが声を掛けて来た。
「あ、ああ、も、もちろん!昨日の猛練習の甲斐があったよね~」
「ホントに。あの時間は無駄じゃなかった!ってことだよな~…付き合ってくれて、ありがとね」
「ありがとなんて、そんな!!誘ってもらって良かったよ!俺の方こそ、ありがとね。」
俺は感謝の言葉を翔ちゃんに伝えた。
「それはそうとさ、ニノ、なんかおかしくね?」
「えっ??ニノ?」
「うん…気のせいかな~?何となく元気ないしさ、無理して笑ってるっていうか…」
翔ちゃんも気付いてるんだ…
ニノが変だって。
「そう、だよね…疲れてるのかな~?」
翔ちゃんの疑問に、ごく当たり前の返事をしてみたけど、ホントは何か違う気がしてた。
「相葉くんが今一番一緒にいるんだから、なんか聞いてみたら~?悩んでるのかもしれないし…」
悩んでる??ニノが?…何を…?
「もしかして、恋愛絡み…とか~?」
翔ちゃんはそう言って笑った。
勿論冗談で言ったんだろうけど…
俺の胸は、奥の方でまた小さく傷んだ。
その痛みの訳が分らないまま、みんなから離れた席で、ひとりゲームをするニノの背中を見つめた。