第4章 琥珀色の恋【A×N】
ニノを誘おうと思ってたけど、
まあいいや~、5人曲の方も心配なのあるし…
「ニノ~、この後どうするの?」
「どうって、何も~…家に帰ってゲームする…通常運転だけど…」
「じゃあさ、一緒に振りの練習しない?」
そうだよ!翔ちゃんと二人じゃもったいないもん!
ニノだってやってもいいんだし…
なんなら、分かんないとこ、ニノに聞いてもいいし…
「俺は…」
「行こうよ!翔ちゃ…」
「翔さんと二人でやるんでしょ?俺は遠慮するよ…」
被せ気味に言われ、一瞬怯んだ俺…
「何で?いいじゃん、一緒に…」
「じゃ、お疲れ~」
ニノはくるりと背中を向けて、さっさと行ってしまった。
その背中を見送ってから、
俺も荷物をまとめて帰り支度をした。
まあね…俺たちに付き合わなくっても、
ニノは出来るもんな~…
ニノに振られて、帰られてしまったことは、ちょっと寂しかったけど、まあ仕方ない。
翔ちゃんが待ってるし~♪
俺は気持ちを切り替えて、
翔ちゃんに言われたスタジオへ向かった。
俺の気のせいかもしれないけど。
以前に比べると、ニノが俺に冷たい気がする。
前は誘えば大体断らなかったのにさ…
『UB』の振付が始まった位からかな~?
……俺が、あんまり覚えが悪いから、
呆れちゃったとか?
そんな~(´;ω;`)
頑張らなきゃ!!
ニノに、『いいじゃん』って、
前みたいに褒めてもらいたいし!!
「よ~し!!やるぞ~!!」
車の中で俺は気合を入れた。
「張り切ってますね~?無理しないでくださいよ~」
マネが、ルームミラー越しにそう言った。
「おう!大丈夫、大丈夫!」
次のスタジオに着くころには、
ニノの少し寂しげに見えた背中が気になったことは、もう忘れていた。
この時の俺は、自分の事で精一杯で、
ニノの気持ちなんか、全然知らなかったし、
知ろうともしなかったんだ。