第3章 ブルートパーズの束縛【O×N】
俺が運転する車の中でも、
黙って目を閉じている……
何なんだよ!?マジで///
俺のマンションの駐車場に車を停め、
大股で歩く大野さんの後ろを歩く。
「あのさ……、
なんか、そんな不機嫌なら、
今夜は無理に来なくても……」
おずおずと声を掛けると、
ギロリと三角の目で睨まれた。
部屋のドアを開けると、
いつもなら、
『盛りのついたゴリラ』みたいに、
吸い付いてくるのに、
今日は、大野さんはなにも言わずに
ずんずん上がり込んだ。
ホントに、何??
なんなの、あんた!!
だんだん腹が立ってきた(`へ´*)
大野さんは、そのまま大股で寝室に向かった。
「ちょっ、なんだよ~?」
焦る俺には目もくれず、彼は俺の枕を取って、
鼻を付けてクンクン匂いを嗅いだ。
そのまま枕を投げ捨てると、
今度は布団を捲って、シーツに鼻をつけて
匂いを嗅ぎだした。
「ちょっと!!何やってんだよ~?どういうつもり…」
「知らない匂いはしないな」
怒る俺を無視して、今度はベッドサイドのゴミ箱をひっくり返してあさり始めた。
これにはさすがの俺も頭に来て、
「いい加減にしてよ!!失礼じゃん!」
マジで。
いくら恋人でも、失礼だよ!
何でこんなことされなきゃいけないのか、さっぱり…
「あいつとヤッテないんだな!?」
「はっ?あいつって…」
「嘘ついても分かるからな~!」
「何を嘘ついてるっていうんだよ?」
「や・ま・だ…(・へ・)」
「はぁ~?」
山田?
……山田って、あの、山田の事?
「あいつが俺に自慢してきたんだ!」
自慢?
山田がどうして大野さんに?
「二宮くんちで徹ゲーしちゃったんですぅ〜♪もう、盛り上がっちゃって、盛り上がっちゃって!!俺が帰ろうとしても、二宮くん、帰してくんなくって〜…」
↑そうとは言ってない(-.-)
あ〜……
なんだ、そんなことか……
全く(-_-;)また焼きもちかよ…
正直、めんどいなぁ、とも思ったけど。
「だってさぁ、智に会えなくって
淋しかったんだもん…」
仕方ないから、目を伏せて、
淋しがり屋な恋人、演じてやった。