第6章 映画館へデート
居酒屋まで映画の感想を話しながら歩いた。
中に入れば、やはり週末だから
混雑していた。
若い店員さんが、こちらに来て
スケアさんに人数の確認とタバコを吸うか確認していた。
私が言おうとしていたが、
若い店員さんはスケアさんしか見ておらず、私は呆気に取られた。
店員さんは目が完全にハートだ。
となりに座って待っている
別の客もハートだ。
何なら今入ってきた客も
こちらに気がついてハートだ。
微妙な顔をしていると、
スケアさんが気がつき、
笑うのを我慢していた。
10分ぐらいで席が空くようで、
椅子に座って待っていた。
「スケアさん、凄いですね。すれ違う女性全員、恋に落ちて行きますね。」
「いや、落とすつもりはないんだけど、みんな…僕を見たら落ちちゃうね。だから、困るよね…」
「…そう…ですよね、ご迷惑ですよね…。」
"みんな落ちて困る"と
いうメンバーに、
私が入っている事に
気がついた。
だんだんと私が迷惑を
かけていたことに気がついた。
スケアさんが私が下を向いたのに気がついたのか、覗き込んでくる。
「、何落ち込んでるの?今の言葉、気にしてる?」
心配そうに、言われて、
パッと顔を上げて、笑顔をむけた。
「いえ、気にしないで下さい。スケアさんモテるのも大変ですね。」
「僕、には
モテたいから今の言葉忘れてね。」
その言葉に、思わず
顔から火が出そうなくらい
赤面してしまう。
「あ、…ありがとうございます。」
よく分からない返事を返してしまい、余計に恥ずかしくなった。
スケアさんはその様子が
可笑しいようで、またクスクス笑ってる。
スケアさんが笑うと、周りの女性陣が一気に感嘆の吐息を漏らしていた。
(凄い…一網打尽です。天性のモテ男ですね。)