第5章 待機所
「はぁー!?スケアさんと行くの⁇オレよりスケアさん優先するわけ⁇」
「だからゴメンって!最近忙しそうだし、無理だと思ってたから。」
「それぐらいの時間は、ちゃんと空けるよ。」
とにかく謝るに徹しようと決めたが、カカシは拗ねているように見えた。
「今度奢るから、ね?」
「焼肉食べたい。」
(焼肉⁈どんだけー!)
「わ、わかった、焼肉ね?今給料前だから、無理だよ?出てからだからね?」
念押しすれば渋々了承を得た。
スケアさんのために痛い出費だが、仕方ない。
「ねぇ、にだけに
見せてあげようか?」
「え?何を見せてくれるの?」
カカシの方を向けば、めちゃくちゃ顔が近い。
思わず少し身体を退いてしまった。
「顔見たいんでしょ?見てみる?」
「え!!?本当に?あ、しまったカメラない!」
その言葉にカカシは一気に面白く無い顔をした。
「お前にだけって言ってるのに、辞ーめた!」
「えー、ゴメン!そうだったんだ。だけど顔を隠してるって事はあんまり見せたく無いんだよね?だから無理しなくて良いよ。」
その言葉に、
カカシは複雑な顔をしている。
「だいたい、スケアさんのどこがいいのよ。顔がそんなに好きなわけ?」
「えー…顔もだけど、シルエットとか、雰囲気とか…全部、好き…。ふっふふふ!キャー何言わすのよ!」
ベシベシ!と、ソファを叩いて一人で盛り上がっていれば、カカシはドン引きしている。
「…何よ?言いたい事あるならどうぞ。」
「お前、いい歳してるくせに、舞い上がりすぎじゃない?10代じゃ無いでしょ。」
「めちゃくちゃタイプなんだから、仕方ないじゃない…。本気なのよ。こんなに人を好きになったのは初めてかも。」
そう言いながらスケアさんを
思い浮かべていた。瞬く間に顔が赤くなるのが分かった。
その様子を見ながら
カカシは溜息を吐いている。
呆れているような目を私に向けている。
「まあ、せいぜい頑張ってよ。」
そう言って、彼は出て行ってしまった。
カカシは何をしに来たんだろう。コーヒーを飲みにきたのだろうか。
本当に彼は何を考えているか分からない。