第5章 encounter
「僕は死神の前で、絶対に滅却師の力を証明しなければならないんだ!
この戦い、君の手助けなど必要ない。
僕は僕の力を証明するだけだ。」
「…は…話が長ぇッ!!!」
一護は石田を蹴った
「な…ななな、何をする」
「うるせぇ!!納得いかねンだよ!
話長すぎて前半の方とか忘れちまったけどよ!
要するにオメーのセンセイの望みってのは…
死神に滅却師の力を認めさせることじゃなくて、死神と力合わせて戦うことだったんじゃねえのかよ!?」
そう言って一護は石田の胸ぐらを掴む
「死神と滅却師は正反対!結構じゃねぇか!!
大人数相手のケンカなんてのは…背中合わせの方が上手くやれるモンだぜ!!」
やっと…着いた
いつの間にか少しだけ一護と石田くんが協力していた
「俺のお袋は虚に殺された。それが理由で虚を倒したいのか…そう訊かれりゃもちろんそうだ。だけど、それだけじゃねえ。なんて言うか…俺は俺の同類を作りたくねぇんだ。そんなのは もういらねぇ…もう見たくねぇ、そう思うんだよ」
「やれやれ、君もいい加減話が長いね。でもよく解ったよ。お互いここで生き残らなけりゃ…殴る相手がいなくなるってことだ!」
そこから、一護と石田くんはしっかりと協力し始めた
『…?虚の様子がおかしい』
それに気づいたのは私だけじゃない
一護や石田くんもだ
空に亀裂が走る
そこから出てきたのは大虚(メノスグランデ)だった
それと同時に浦原商店の面々が助けに来る
どうやら、周りの虚は喜助たちが請け負うようだ
『…喜助』
私は喜助の横に立つ
外套のおかげか、一護たちには認識されない
「おや、お疲れ様です。随分…お疲れのようで」
『別に、それより大虚を一護たちに任せる気?』
「そうっス。この戦いは…必要な戦いなんすよ。
あ、そういえば大虚と言えば王属特務の管轄って言われてるんでしたっけ?」
『大虚ごときで私たちが出る方が難しいわよ。』
「確かにそうっスね」
『ただ、今の一護たちじゃ厳しいでしょうけどね。』
「そりゃ、そうですよ。なんせ、経験が浅い。でも…まだまだ伸びる」
『そうね。
疲れたし、先に帰ってる。後は任せた』
「えー…」
喜助のそんな声を聞きながら私は先に浦原商店へと戻った