第2章 return
いつもと変わらない朝
いつもと変わらない日常
いつの間にか、慣れてしまっていた…平和な世界
今日もそんな1日を送るんだと思っていた
「おはようございます♪」
『誰ですか。』
目の前にいる男。
着ている服からして、死神
白い羽織を着ているから…隊長格
「いやー、勝手にお邪魔しちゃってスミマセン。
あ、ボクの名前は浦原喜助です。
アナタのお名前は?」
『…私は…』
思わず名前を言いよどむ
「言えないっスか?」
ヒュッ
彼は私の喉元に刀を向けた
「もう一度聞きます。アナタのお名前は?」
『勝手に入ってきた上に、いきなり刀を向けるなんて、失礼な男ね…水無月…蝶。』
「報告通りっスね。護廷十三隊、十二番隊隊長として…元一番隊隊長であるアナタを尸魂界へ連行させていただきます。」
ずっと逃げてた。
山本元柳斎重國に総隊長の座を譲って、平和な世界へ逃げてきた
でも、そんな生活は…今日で終わるみたい。
『どうぞご自由に』
私のその言葉を聞いて浦原喜助は穿界門を開いた
穿界門の中へ入る
久しぶりに通るな。
中へ進むにつれて今まで着ていた着物が死覇装にかわる
門を出る頃には完全に死覇装へと服はかわっていた
パサリ…
白い羽織が私の肩にかかる
『あぁ、まだあったのね。』
肩にかかったのは一番隊隊長だった頃の羽織
穿界門が繋がっていたのは一番隊隊舎
『変わってないわね』
「…入りますよ。」
浦原喜助は一番隊隊舎の扉を開いた
そこには、各隊の隊長達、そして総隊長山本元柳斎重國がいた
『久しぶり。元柳斎。』
「お久しぶりです…」
『その様子だと、元気にやってるみたいね。』
「…おかげ様で。」
『…うん。そろそろ、本題話してくれる?』
元柳斎はひとつ大きな咳払いをした
「…中央四十六室からの命により…
水無月蝶に、王属特務零番隊に務めることを命ずる」
『…いきなり…ね。』
「貴女が死神を引退すると言って姿を消す前に決まっていたことですから。
姿を消してから、見つけるまで苦労しました。」
『…戻る気は無かったもの。
それに、逃げたようなものだったし、捕まるかなーって思ってたら…零番隊…か』
「…そうですな。
……ゴホン…」
元柳斎はひとつ大きな咳払いをした