第5章 encounter
「そういえば蝶さん、一体どれくらい休暇貰ったんスか」
『?五年くらい』
「そんなに休暇取れるんスか…」
『そりゃずっと働いてたからね。』
百年くらい休みほぼ無しだわ
「羨ましいっスねぇ」
『店長やってるなら、休みは中々取れないものね』
二人でお茶を飲みながら話していた
『あ、最近ね私が昼に買い物行くとさ、おば様達にあなた学校は?って聞かれるんだけど』
「蝶さん見た目、高校生くらいですしね」
『そう。で、いじめられてるの?とか、ちゃんと学校に行きなさいとか言われるんだけど…』
おば様たちはいい人たちだ
《もしいじめられてるんなら、おばちゃん達がコテンパンにするから言うのよ!!》
って言ってくれるから
「学校っスか…確かにそろそろ入学シーズンっスね」
『そうなの?』
「入学は四月ですからね。今三月ですし」
『ふーん』
「学校、行きます?」
冗談で聞いてきてるのだろう
『えー…ニートがいい』
「…どこでそんな言葉を…」
『おば様たちが言ってたのよ』
「学校に行くなら…買い物係免除でどうっすか?」
『え…なんで』
「ほら、学生の本分は学業!!
手伝いなんてさせませんよ」
『…学校くらいは行ってもいいけど…どうやって入学させる気?』
「裏口入学っス!!」
パンっと扇子を開きとても笑顔で話す
『……わかったわよ。高校に通うわけ?』
「そうっスね。見た目が高校生くらいなんで高校ですかね」
『徒歩通学希望でーす』
「なら空座第一高等学校っすね」
『あぁ、あそこね』
「じゃあ早速手続きと…制服っスね」
『制服……』
こんな年寄りが制服着るの?!
「歳は気にしちゃまk…『うるさいわね』」
ゴンッ
思わず殴った
「イタタ…」
『手続きと制服よろしくね?』
私は大きな音を立てるように扉を閉めた
今日の買い出しはっと…
買い物を終え、両手いっぱいの荷物を持つ
『重た…』
今日の夕飯はカレーらしい
いつもはテッサイがご飯を作るのだが…今日は不在らしく、私が夕飯を作ることになった
喜助もジン太もウルルも私が料理できないと思ってるらしい
いいわよ。美味しいカレー作ってあげるわよ。