第16章 reaper
一護が死神の力を失って、はじめての夏休み
私は高校二年生になっていた
高校二年生って歳でもないんだけどね
『…空が綺麗だなあ…』
隊舎の屋根に転がり、雲の流れを見ていた
「何しとんねん」
そう言って私の視界を奪う死神が一人
『……何か御用ですか、平子真子隊長』
「…何でそんな他人行儀やねん」
『…私の癒し時間を邪魔されたから』
「何や癒し時間て。今休暇中やったらもっとええとこ行けるやろ…」
真子が私の横に座る
『学校あるからねぇ…』
「…今夏休みとちゃうんか」
『そうよ。だから帰ってきてるの…ふぁあ…』
欠伸が出る
今日の空気はとても心地良い
「へえ、なら久々に甘味処でも行くか?」
真子が立ち上がる
まるで、私の答えが分かっているかのように
まあ、答えは決まってるけどね
『!!!行く!』
私はガバッと起き上がった
「そういう時だけ早いなあ…」
そう言いながら真子が手を伸ばしてきた
『ありがとう』
私はその手を掴み、立ち上がる
「今日はなあ、かき氷が美味しい甘味処や」
『この季節にピッタリね』
「現世でかき氷食べた時の変わり種にはビビったけど…あれもありやなあ…」
『最近多いわね。私はピスタチオのかき氷?っていうのをこの間織姫達と食べたけど…とっても美味しかったわ』
「へえ…ピスタチオか。オレはあれや、ミルク氷とか言うやつ食べたで」
『あれも美味しいわよね。食べた時のミルク感最高よね。』
二人でかき氷について話しながら甘味処へ向かう
「ここや」
そう言われ、看板を見ると緑茶専門店と書いてあった
『緑茶…?』
「まあ、入ってみい」
中に入ると茶葉のいい香りがした
「おばちゃん、二人行けるか?」
「大丈夫ですよ。どうぞこちらへ」
席に案内され、座るとそこにはメニューが置いてあった
『うわあ…!』
美味しそう!!
抹茶氷にほうじ茶氷?!え、美味しそう…!!
「何にする?」
『悩む…抹茶もいいんだけど…ほうじ茶も捨て難い…』
「おばちゃん、抹茶とほうじ茶のかき氷、一つずつ頼むわ」
「はーい」
『…いいの?』
「構へん、どっちメインで食べたいねん」
ニヤニヤしながら聞いてくる真子
『…抹茶!』
「なら、ほうじ茶と一口交換やな」