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【M×N】インターホンはお静かに

第1章 相変わらずな俺ら


口は災いの元







漆黒の瞳に見つめられたら


金縛りでもあったみたいに、動けなくなる



射るような眼差しも

誘うような色気も

惑わすようなニオイも




頬を包まれ、


ゆらりと近付く、整った顔




あんまり綺麗だから、


つい、タイミングを逃してしまう






「あのなぁ~

早く、目ぇ閉じろよ」





心臓バクバクいわせて、


真っ赤になりそうなの堪えて、


俺の口から零れるのは、


可愛くないひねくれた言葉ばかり






「センセ、知らない?

キスする時の顔、ちょっと変だよ」

「なっ、」






真っ赤になったのは、センセの方で……


途端に掌は、ほっぺたから離れる



あ、ら

怒らせちゃった…かな?



ベッドの端に腰掛けてたセンセは、ふいっと視線を逸らして立ち上がった


黙って後ろ姿を目で追いながら、まずったなと内心焦る





「センセッ…、あのさっ」




気の利いたセリフも浮かばないまま、口を開いたけど……



それはもう、遅かったみたいで……





「見えなかったら、問題ないよな?」







……怒ったような、楽しんでるような表情


本能的にヤバイと思う





「ちょっ、やだっ止めてよっ…」





勢いよく被さったセンセは、無理矢理手首を拘束して


手にしたスカーフで視界を遮る





「やだっ、外してっ、」





センセの表情はもちろん、

沸き上がる嫌な予感に、汗が吹き出る





「これなら、変な顔見えないだろ?」

「ちがっ、それにっ!手は関係ないじゃんっ」

「それしないと目隠し取るだろ」





ジタバタ暴れる俺に、センセは体重を掛け、


1つずつボタンを弾くのがわかる


吐息を感じた瞬間


覚えのある感触に、自然と声が漏れた








「あ…っ…ん……」




厭らしく首筋を這う舌


立てられた歯が与える鈍い痛み





「ん……っ、ふ…あぁ…」




この先の快楽を知ってる身体は、

みるみる中心に熱を帯び



勝手に腰が浮いてく





「やぁらし、カズは

こうゆうの好きだったんだな」






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