第8章 愛のことば
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「まじで、悪かったな」
完全に逆上せて
身体に力が入らないどころか
ついさっきまで意識を飛ばしてしまってたカズは
俺に背中を向けたまま
何も言わない
求めあったとはいえ、
1回どころか2回戦に突入した時は
確かにカズは無理だって拒否したのに、
俺が無理矢理続行したもんだから……
俺が、すべてを
中にぶちまけた時には
カズは、意識を手放していた
「……い」
「えっ…?なに…?」
「みずっ、飲みたい!」
「ああ」
サイドテーブルに置いたグラスを持ち上げ、
腰を上げた
「ほら…」
そう言ったくせに、
動かないカズを、思わず覗き込むと
眉間にシワを寄せて、真っ赤な顔をしていた
「ど…した?」
「おき…あがれ…らん…ない……」
「……」
悔しそうに唇噛んで
うるうるオメメに、真っ赤な顔
なんだコイツ
口に出したら、完全にキレるな(笑)
すげぇ可愛いすぎんだろ
「仕方ないなぁ」
にやけそうになるのを我慢して
グラスを傾けると、水を含んだ
カズの頬に掌を添え、唇を重ねる
「……んっ」
カズの喉がごくんと鳴ったのを確認して、
ゆっくりと唇をずらした
口端に流れそうな水気を、舌で舐め取ると
ますます赤くなったカズが、フイッと視線を逸らした
耳まで真っ赤じゃん(笑)
「そーゆーことっ、
普通にすんなよな」
「なんで?」
「なんでって…」
「仕方ないじゃん。
お前、すげぇ可愛いもん」
あ…つい言っちゃったわ~、と思いつつ
予想通りにふくれたカズを見てたら
治まったのではずの……俺の、俺が……
「カズ……」
「へ?……ひっ、ちょっっ、やめっ…ん…」
きっと、一緒にいる限り、
同じ悩みは尽きないんだろうけどさ
お互い、それでいいんだって、
今一緒にいることを望んでんだから……
いいんだよな?
とりあえず
「カズ愛してるよ♡」
「……知らね…ぇ…」
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