第2章 夜の影
「んじゃね、気をつけて」
わざわざ、"今から家出るわ"ってセンセからの電話に
自分の部屋のベッドに寝転んだまま、そう答えた
高校ん時の同窓会で、センセが行くのは数年ぶりらしい
「今日は、ひきこもりコース決定だな」
パジャマ姿の自分に苦笑いして、
朝からずっと雨音を立てる窓の外を、カーテンの隙間からちらりと覗いた
雨だから、練習も中止だし
高校生が朝からゲーム三昧、予定ナシって(笑)
最近はずっと……
お互いに予定がないときは、一緒にいるのが当たり前になってた
明日も休みなんだから、
ゆっくりしたらいいのに、今晩の内に帰ってくるらしい
どんだけ俺に会いたいの?……なんてね
とりあえず、空腹を満たそうとベッドから起き上がって
つけっぱなしのテレビをぼんやり見ながら、テーブルにあったメロンパンをかじる
アイドルみたいなお天気お姉さんは、天気とは裏腹な笑顔で言った
「夜には風も強まり、
大雨が予想されますので、お出かけの際はご注意下さい」