第15章 【岩泉】ENDLESS SUMMER
「···もしもし警察ですか?頭のおかしいヤツが部屋に入って来ました」
及「待って?!待って岩ちゃん!警察呼ぶのやめて!!」
「呼びたくもなるわ!ったく、電話したのはウソだ。で、用件を早く言えよ」
腕に縋り付く及川を払い除け、お互いに向き合って座る。
及「あのさ岩ちゃん。ちゃんの事だけどさ···あの後、実はね」
あの後···
どうせふたりで仲良くプール遊びして帰ったんだろうよ。
勝手にしろと言ったのは、オレ。
勝手にするといったのは、。
だからオレは、関係ねぇ。
及「岩ちゃん別れて少ししてから、オレが家まで送り届けて来た」
「へぇ~、そりゃ良かっ···はぁっ?!帰った?!」
予期せぬ言葉に思わず食いつく。
「ふたりで仲良くプール遊びしてたんじゃねぇのかよ?!」
及「ちゃんも上の空だったし。着替えて軽くご飯食べさせて送ってったけど···岩ちゃんはオレとちゃんがふたりだけで水着姿で絡んでても良かった?」
水着姿で···絡む···?
今日のの水着姿は、ちょっとだけ露出高めで···新しい水着で···
「いいわけねぇだろうが!···あ」
及「ほ~ら、本音出た。岩ちゃんわかりやす~い!···あ、ちょっと?岩ちゃんゲンコツの構えやめて···」
ニヤニヤとする及川の顔に反応して握ったコブシを引き下げ、どこにもやれないイライラを及川の胸元を掴む事で制御した。
及「い、岩ちゃん···顔近い、顔怖い、顔ゴリラ!何でちゃんはこんなゴリラ顔がいいの?!怖いから離れて!」
「最後のは余計だ!」
及「痛っ!!···もう!岩ちゃんはオレにヤキモチ妬くのやめて!オレの身体がもたない!」
「はぁっ?!なに言ってやがる!」
及「だって···ヤキモチその物じゃん、いまの岩ちゃん。だからプールでも、あんな風に拗ねたんでしょ?」
「拗ねてねぇし!」
及「い~や、拗ねてるね。ハッキリ大声で言ってみ?はオレのだ!オレが一番惚れてんだ!スペシャルカッコイイ及川徹になんか渡すもんか!···ってね」
「言うワケねぇだろが!だいたい最後のはなんなんだよテメェは!ナメてんのか!そしてそのイラつく変なポーズやめろ!」
なんなんだよクソ川の野郎。
やけに絡みやがって。