第15章 【岩泉】ENDLESS SUMMER
···で、結果こうなる、と。
『ハジメ!あれやろうよ!ウォータースライダーいっしょに滑ろう?!』
新しい水着を来て、子供のようにはしゃぐ。
及「え~?!オレは?!オレも一緒に滑りたーい!」
そしてアホ丸出しで騒ぐ···及川。
『じゃあ3人で滑ろう!決まり~!』
って···3人でかよ!!
「待て待て待て待て!及川、お前はひとり寂しく滑っとけ!」
何が悲しくて3人であんなの滑らなきゃいけねーんだよ。
及「岩ちゃんズルい!ちゃんを独り占めしようとしてるでしょ!」
「うるせぇクソ川、オレがオレのモン独り占めして何が悪いんだよ!」
『ハジメ···声大きいよ』
うっせぇな!と振り返れば。
そこには顔を真っ赤にしたがいて。
周りにいるギャラリーも、オレ達3人をジロジロと見てる。
「あ···えっと、わりぃ」
及「岩ちゃんチョー恥っずかしい!」
「テメェは黙ってろ!!」
及「痛っ!もう!岩ちゃんのゲンコツやめて!暴力反対!」
『ハジメもやめなって。及川くんの頭が変形しちゃうから』
及川とオレの間に体を滑り込ませてが庇う。
そんないつもの事が、今日はなんだか気に入らなくて。
「お前はなんでいつも及川ばっか庇うんだよ!」
『ちょっと、何言ってんのハジメ!今のはどう見てもハジメが悪いんじゃん?』
また、オレかよ。
「もういい。そんなに及川がいいなら、オレじゃなくて及川にすりゃいいだろ!」
売り言葉にってやつで、つい思ってもない言葉を放つ。
の顔が一瞬···強ばって、悪ぃ···今のはナシって···言おうとしたのに。
『ハジメ、それ本気で言ってるの?』
「勝手にしろや」
及「ちょっと岩ちゃん?!」
次々と気持ちとは反対の言葉ばかりが出て。
『···分かった。勝手にする』
「そうかよ。じゃあもう···」
オレタチ オワリダナ。
そう続けようとした瞬間の頬の痛みに息が止まる。
「なっ···」
『さようなら “ 岩泉くん ” 』
なに言ってんだ?
なんで今更、オレを名字で?
「」
『ムリして名前で呼ばなくていいから···昔みたいに、って···呼び捨てでいい』
昔みたいに?
オレが名前呼びし始めたのは、いつからだ?