第13章 【花巻】雨で近づく距離
『へっ⁈』
顔を上げたと至近距離で目が合う
『ちょっ…やっ…はっ花巻…近い…』
頬を染めて焦る…
しかも俺がガッシリと抱き寄せてるせいで
身動きも出来ない状況に更に焦ってる…
『あっ…やっ…離して…』
「ひどっ…から迫ってきたくせに…」
『なっ…それは…別に迫ったわけじゃ…』
焦るが可愛くて仕方なくて
『ホント…近いからぁ…花巻ぃお願い…』
つい意地悪な事を言ってしまう…
「じゃあ…貴大…って呼んでくれたら…」
『えっ…』
ますます頬を赤くするが言葉に詰まる
『…でっでも…』
「どうする?呼ぶ?呼ばない?」
ニヤリと笑う俺を見て恥ずかしそうに
口を開こうとするを引き寄せる
『…た…か…ヒャッ…』
「残念…時間切れ…」
今のは自分でもズルいな…って思ったけど
とまだこのままでいたくて…
『…ちょっ…ズル…い…』
胸の中に閉じ込めたは
何とか抜け出そうと俺の胸に触れて
そして驚いたように呟く
『…花巻…心臓の音…速い…』
「当たり前だろ…俺は健全なDKなの
好きな子抱き締めたら…こうなるっつの…」