第13章 【花巻】雨で近づく距離
微かに聞こえた声の方へ近づけば
小さい身体を更に小さく丸めたが
耳を押さえて震えていて…
「どうした?」
声を掛ければ顔を上げたと目が合う
『…私…雷…ダメなの…』
捨て犬かっ?と思わせる程
瞳を潤ませて見つめるに心臓が跳ねる
何だよ…この超絶に可愛い生き物…
めちゃめちゃ抱き締めたいんですけど…
「手…繋いでてやろうか?」
そう呟けばコクンと小さく頷く…
隣にしゃがんでの手を取ろうとした瞬間
二度目の雷が鳴り響いた…
『キャーッ』
の悲鳴と共に身体にかかる重み
突然の衝撃に仰け反りそうになりながらも
何とかの身体を支える
俺の腕の中に納まったは
よほど怖いのかギュッと俺を掴んで
フルフルと頭を振りながらやだやだと震えている
小さくて柔らかいその身体を
どさくさに紛れて抱きしめると
凄くいい匂いがして…
あぁこれ…マジでヤバいかも…
の事スゲぇ好き
「…」
少し落ち着いてきたの髪を
そっと撫でながら呼んでみれば
声に反応してピクリと身体を震わせる
「大丈夫かよ?」
『…うん…ごめん…』
「ところで…お前…
今どんな状況か…わかってる…?」