第11章 【赤葦】溺れる街★
赤葦の好きなとこ
・よく気が効くとこ
・優しいとこ
・聞き上手なとこ
・バレーが大好きなとこ
・真面目だけどたまにふざけるとこ
・笑顔がキラキラしてるとこ
・私のわがままに付き合ってくれるとこ
・何を食べても美味しそうなとこ
・たまにドキドキさせてくるとこ
・一緒にいると凄く楽しいとこ
だから、赤葦が好き。
「言い逃げかよ、、、!」
気付けば身体は勝手に動いていた。
まだ雷が鳴り雨が降りしきる道を傘もささずに走る。同じ様に傘もささずに飛び出していったの背中を見つけ、俺はその勢いのまま後ろから抱きしめた。
「!!!!????」
「逃げないで下さい、、、!!」
「、、、、、やだ、恥ずかしい。」
「好きですよ、、俺もさんの事!」
雨にかき消されない様に、
耳元でそう囁く。
抱きしめる俺の腕をギュッと掴むさんの手は冷たくて、肌の上を雨粒が跳ねるのを見て、俺は手を引いて路地裏へ誘った。
屋根があるおかげでいくらか雨は凌げるが、お互い制服はびっしょりで肌に張り付くほどだった。
「、、、、赤葦、、私、、、」
「さん、コレ、嘘じゃないですよね?」
ポケットから取り出した彼女からのラブレターは、雨で所々ボールペンのインクが滲んでしまっていた。
「、、、、、うん。」
「なんで下向くんすか。」
「だって、、、恥ずかしくて、顔見れないもん。」
俯く彼女の言葉は歯切れが悪く、いつものあっけらかんとした態度からは180度違っていて、そんな姿が寧ろ愛おしくすら思う。
「ねぇ、、さん、こっち向いて?」
雨で濡れた頬を掌で触れ、腰をすこしかがめ、覗き込む様にして俺は彼女の唇を奪った。