第7章 【月島明光】眼鏡の向こう側
side明光
都会と違い田舎のコンビニは駐車場が広い。
店舗からほんの少しだけ外れた、店内の光がわずかにわかる車の中。
隣にはチョコミント味のフラッペを美味しそうに味わうちゃん。
「ねえ、ちゃん?」
そう問うと俺の方を向くちゃんに、俺は優しく微笑んだ。
「俺にもそれ、頂戴?」
ぱちりと目を見開くちゃん。
にこり、と笑いフラッペを持っている手をずいと前に出した。
「私ばっかりごめんなさい。明光さんどうぞ。」
ちゃん、ごめん。
ずるい男でごめん。
「あのね。」
俺は差し出されたフラッペを受け取るとそのままそれをドリンクホルダーに戻す。
不思議そうな顔をしたちゃんの顎を掬うとそっと唇に口付けた。
「"こっち"で味見したいな。」
ぺろり、と舌で唇をなぞると意味を理解しぼんっと顔を真っ赤にさせるちゃん。
きょろきょろと外を確認し、人が通らないのを確認した後真っ赤な顔を俺に向ける。
「ちょっとだけ…ですよ?」
あーもう可愛すぎ。
俺の舌を待つように少しだけ開いた唇に
俺は誘われるように近づき、触れた。