第7章 【月島明光】眼鏡の向こう側
side明光
「あき…て……さ………」
呼ばれた声が耳に入りふ、と目を開けると真っ赤な顔、とろりととろけた瞳。
思わず抱きしめそうになったところで後ろからのパッシング。
びくり、と跳ねた体から自らの体を離し何回も変わってしまった信号を後にする。
無言。
無言。
いたたまれなくなった俺はカーステレオのスイッチを入れる。
流れ出す音楽に合わせて小さく呟くごめん。
ちらりと横を見れば真っ赤な顔で下を向くちゃん。
やりすぎちゃったなぁ。
年下の、それもまだ高校生の彼女に無理はさせられない。
でも、可愛い彼女に"そういうこと"をしたいのは男のサガ。
あと8ヶ月、ちゃんが高校を卒業するまで我慢しなきゃと思うがなかなか自制が効かないのが本当に悩ましい。
このまま家に送るのも忍びない。
そう思った俺は彼女の家路の途中にあるコンビニの駐車場に車を入れた。