第7章 【月島明光】眼鏡の向こう側
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再び進む景色。
少しの時間星を見ながらハグをした私達。
駐車場にあった自販機で買ってもらった赤いラベルの炭酸に口をつけながら時折運転席に目を送る。
眼鏡、格好良いなぁ。
なんて考えていれば 、す、と車が止まった。
前を見れば赤信号。
闇の中の赤を見つめていれば隣から声がする。
何ですか?
そう声に出そうとした。
でもその唇は音を伝えることなく閉じる。
ふわり、さわやかな洗剤の香り。
唇に熱い熱。
キス、されてる。
そう自覚した瞬間顔が火照る。
ちゅっ、ちゅっと角度を変え吸われる唇。
「あ…きてる…さ……しんご…」
「わかってる。ちょっとだけ…」
小さなリップ音を奏でながら唇を嵌まれる。
甘くて溶けてしまいそうな感覚。
途中、こじ開けられた唇は難なく開き、滑らかなしたを難なく受け入れた。
何度信号が変わったのだろう。
田舎の山道、人通りも少ないここだから出来ること。
止められない。
止まらない。