第39章 【黒尾】さようなら、またイツカ。★
「、、、、ごめん。やっぱ状況が理解出来ないんですが!?」
9時を少し過ぎた頃。
再び身体をゆすり動かされ俺は眼を覚ます。
きっと次に目を覚ました時には、居なくなっているんだろう。そう思っていたの身体を俺は依然として抱きしめている。
「私もわからないよ、、、目が覚めたらここに居たんだもん。」
「???、、、待って。単刀直入に聞く。何で8年前に死んだはずのお前が、成長してここに居るの?」
「え?死んだのは鉄朗でしょ?」
「ん゛?」
「鉄朗は、あの時私を庇ってトラックに、、、」
「いや、俺はあの時、間に合わなくて、、、」
つまり、の世界では俺が死んでいて、俺の世界ではが死んでいるという事になる。
パラレルワールドってやつ?
にわかに信じがたいが、彼女の話を聞くにどうやらそのようだ。こんなのSF映画とアニメの中の話じゃないのか?と、俺は当たり前だがすんなり受け入れられない。
だけど、は目の前にいて、こうして触れることが出来るんだ、、、。
「よし。よくわかんねぇから、取り敢えずデートしましょうかね。」
「え!?」
「まぁまぁ、いいじゃん。は俺に会いに来たんだよね?」
「そうだけど、、、」
「じゃあさ、デートしよ?俺もに会えて嬉しいし!」
「うん。」
こんな訳わかんねぇ状況、到底理解なんか出来ない。それに、映画とかじゃこんなSF的な展開そう長く続くもんじゃない。きっとは俺の前からまた姿を消すんだと思う、、、今日か、明日か分からないが。
だったら思う存分、叶わなかった未来を謳歌するしかないだろ。
俺たちは早速外へ繰り出した。